xv6のビルドと実行のしかた
本講義で教材として用いる教育用オペレーティングシステムxv6を,各自のパーソナルコンピュータ(PC)上でビルドし実行する方法について説明します.
間違いやスマートでないやり方を含んでいる可能性がありますので,間違いの指摘やコメント等を歓迎します.
xv6のソースコード取得
xv6にはRISC-V版とx86版がありますが,本講義ではRISC-V版を使用します.
ソースコードの取得や更新を行うために,版管理システムgitを使用します. 以下gitに関する用語が頻出しますが,gitは現在のソフトウェア開発において必須のツールで,解説書(例えばPro Git)も多いので各自勉強しておいてください.
RISC-V版xv6のソースコードを取得するには以下のコマンドを実行します.
$ git clone https://github.com/titech-os/xv6-riscv.git
ここではxv6のオリジナルのリポジトリではなく,講義用に作成したリポジトリから取得しています. 演習に使うファイルをこのリポジトリを経由して配布しますので,オリジナルではなく講義用のリポジトリを使ってください.
ビルド・実行用ツールの準備
xv6をソースコードからビルドするためには,各自のPCで動作しRISC-V用のコードを生成するクロスコンパイラおよび関連ツールが必要です. ここではRISC-Vの開発元が提供しているRISC-V GNU Compiler Toolchainを使用します.
また,xv6を実行するために,RISC-Vをエミュレートする仮想機械(VM)を使用します. ここでは様々なアーキテクチャに対応したVMであるQEMUを用います.
これらの開発用ツールは情報工学系計算機室のMacにはインストールされているので,xv6のソースコードを取得すればすぐにビルド・実行が可能です. 各自のPCでこれら開発用ツールを実行する方法として,ここでは以下の2通りについて説明します.
- Dockerを使って開発用ツールを実行する
- PCに開発用ツールをインストールする
いずれか好きな方法を選んで各自のPCで開発用ツールを使えるようにしてください.